楽しみ方は強制するものでなく、発見させる時代へ

シンプルこそが最強のコンテンツ

ただただ焚き火を見る。それだけ。

最近とても興味深いアプリケーションを見つけました。

その名も「焚き火」

実際に使ってみた動画がこちらです↓

 

いかがでしょうか?けっこう本格的に焚き火ってますよね?

最近ニュースでも話題となったノルウェーのテレビ局が放送している「スローテレビ」という番組で、暖炉が燃える映像を12時間放送したところ、視聴率がなんと20%を超えたそうです。

楽しみ方は客側が自分で決める

そんなものがどうして20%という驚異の視聴率を叩き出したのか意味わからんと思ってしまいますが、これはいまの時代背景が大きく関係すると思います。

私は普段テレビをほとんど見ていません。理由はインターネットで見るhuluYouTubeの方が単純におもしろいからです。

私の周りにもそういったテレビは一切見ない人というのがここ最近で急速に増えてきているなと思います。

年代や家族構成にもよるかと思いますが、画面の中での娯楽はテレビだけでなくスマホやタブレットでも得られる時代になったのです。

では、テレビが提供していた画面の中の娯楽はインターネットで得られるとして、残されたテレビの存在価値とは何でしょうか?

私が考えるにテレビに残された唯一の価値はスマホやタブレットにはない大画面のディスプレイだけと思います。

そして、その大画面だからこそ暖炉の映像を流す価値があったのではないでしょうか?

実物と変わらない存在感で暖炉のもつ色味や音を擬似体験できる。

視聴者が本当の暖炉があるかのような錯覚をテレビを通して得られることで、暖炉が与えるサービス以上の娯楽を視聴者は要求しなかった。なぜなら視聴者が暖炉に求めたものは癒しだけであったから。

何も考えずにただ暖炉の中で燃えていく薪を見ていたい人や、作業中のBGMとしてつけていた人などその用途はおそらく様々だったと思います。

単純な番組内容だからこそ12時間もの長時間放送に対しての20%という高視聴率が出せたのではないでしょうか。

そしてこれは、視聴率という概念が根底から覆された大きな事件だと思います。

視聴率とはつまりどれだけの時間その画面を視聴者が見たのかを数値化したもの、視聴者の眼球の拘束時間でありました。

ところが今回のノルウェーの放送局が視聴者に提供したサービスは「放送中の番組をずっと見なくてもいいです。その代わりずーっとうちの番組をつけて視聴率はあげてくださいね。」といった矛盾の塊みたいな内容でした。

これってこれから先の地方における観光でも使える素晴らしいアイデアだと思います。実際にこの考え方を観光事業に置き換えるとこうなります。

「毎週は木城町に遊びにこなくていいですよ。その代わり、ずーっと木城町に遊びにきてお金を落としてくださいね」となります。

ん?どういう意味?となりそうですが、これから説明いたします。

毎週は木城町に遊びにこなくていいですよというのは、これ当たり前のことですよね。どんな観光地であってもそこを毎週訪れる超リピーターの顧客がつく場所など存在しないと思います。

飲食店やコンビニなど生活と直結したサービスを提供する以外にこれはあり得ません。

観光というのは生活の中でなくなっても全く困らない娯楽のサービスを提供する仕事になります。

しかしながら、娯楽を提供している側の意見としては毎日でもお客様に足を運んでいただいてお金を落として貰いたいのです。

その考え方が結果として顧客の満足度を下げるきっかけになってしまう恐れがあると私は思います。

なのであえてお客様にいつも来ていただかなくてもいいという発想の転換をしてサービスを提供しても面白いと思うのです。

焚き火はまさにそのいい見本であります。

これまでのテレビ番組の内容は有名な人をキャスティングして、おもしろおかしくトークをしてもらって視聴者を楽しませるやり方でした。

しかし、これってすごく一方的だと思うのです。

テレビ局がおもしろいと思った内容だったら視聴者も当然おもしろいと思うでしょ?うちの局の番組はおもしろいからいつでも見てね!って感じで、テレビは視聴者側の意見が反映される部分がありませんでした。

そしてこれは観光事業も同じだと思います。

うちの観光地は他所にはないこういう見所があって、こういう楽しみ方をするための場所なんです。だからこういう用途で使ってね!といった具合に事業側がお客様に対してサービスを限定するところがあると思います。

それが観光地ってもんだろ!と怒られてしまいそうですが、もう少しお聞きください。

観光地側がサービスを限定することでお客様の満足度は向上しますか?限定することでより多くの集客が見込めますか?

この質問に対して答えがYesの場合はどんどん限定してください。しかしそんな場所は東京ディズニーランドやUSJなどの超がつくほど集客ができる場所以外にあり得ないと思いますが…

これまで地方の観光地はサービスを限定し、毎年同じ内容・同じ景色・同じ建物を提供し続けてきました。

ある程度の内容は変えたとしても大きく変わることはなかったはずです。

その結果、お客様が毎週どころか1年に1度も訪れることがないような場所にしてしまったのではないでしょうか?

単純な内容でも人は満足する

冒頭でもお話した「焚き火」アプリはiOSアプリランキングで1位を獲得したこともあります。

焚き火が燃えていくのをただ眺める。

それだけでも人は満足するものなのです。

提供したサービスをどう使うかはそれを手にしたお客様が決める。

しかし、うまく楽しみ方を見つけられない人のために少しだけサポートをする。

毎週同じ場所にきて楽しんでもらえるような内容の濃いサービスを提供する必要はなく、シンプルかつお客様自身で新たな楽しみ方を発見していけるコンテンツや観光地の提供。

そんな新しいサービスの提供のやり方がこれからの時代に求められる新たな観光事業なのかもしれません。

ABOUTこの記事をかいた人

宮崎県の木城町という小さな町にある観光協会のホームページです。 観光事業に関わらずいろんなことを記事にして情報を発信して、結果的に木城町の名前が日本中で知り渡ればいいなと思いながら運営をしてます。